2017.02.17
2016年静岡県下12月業種別倒産・整理情報
発生件数35件
前月比件数・負債総額ともに増加
大型倒産は中部で1件発生
負債総額52億8,270万円内外
平成28年12月業種別倒産・整理企業(負債総額1,000万円以上、平成28年12月1日から12月31日まで)の発生件数は35件、負債総額は52億8,270万円となリ大型倒産(負債総額10億円以上100億円未満)は中部地区で1件発生した。
【対前月比】(平成28年11月件数19件負債総額18億3,300万円)
前月に対して件数は16件増(+ 84.2%)、負債総額は34億4,970万円増(+ 188.2%) と件数・負債総額とも大幅に増加した。
【対前年比】(平成27年12月件数23件負債総額36億2,900万円)
前年同月に対して件数は12件増(+ 52.2%)、負債総額は16億5,370万円増(+45.6%)と件数・負債総額とも大幅に増加した。
【業種別】
業種別では建設が全業種最多で11件。次いで食品・飲食が4件、木材・家具、鉄鋼• 金属が各3件ずつ、機械、繊維• 衣料雑貨、化学、娯楽が各2件ずつ、農林水産、印刷・出版、情報通信、観光、医療、その他が各1件ずつとなっている。
また、これを製造業、非製造業に分類すると製造業10件、非製造業25件。非製造業内訳は建設が11件、卸売が3件、小売が4件、サービスが7件となっている。
【資本金別】
500 万円未満が 17件で最多、 次いで2,000 万円未満が 9件、 1,000 万円未満が4件、 個人企業と4,000 万円未満が各2件ずつ、 5,000 万円未満が 1件となっている。
【負債規模別】
1億円以上10億円未満が14件で最多、次いで1,000万円以上5,000万円未満が12件、5,000万円以上1億円未満が8件、 10億円以上100億円未満の大型倒産((株)アライブ、静岡市、負 債総額14億6,900万円)が1件となっている。
【原因別】
ジリ貧が18件で最多、次いで売上不振が15件、連鎖が2件となリ不況型の倒産が今月も目立っている。
【倒産形態】
自己破産が31件で最多、次いで特別清算が2件、 銀行取引停止、 自己破産準備が各1件ずつとなっている。
【業歴別】
30年以上が11件で最多、次いで20年以上が9件、10年以上が7件、2年以上が6件、 不明が2件となり業歴の長い企業の倒産が今月も目立っている。
【地区別】
●東部地区(前月5件負債総額2億8,300万円)
東部地区は14件発生で前月比9件増(+ 180.0%)、負債総額は17億9,356万円で前月比15億1,056万円増(+ 533.8%) と件数・負債総額とも大幅に増加した。
市郡別では沼津市4件、三島市2件、裾野市、御殿場市、富士宮市、熱海市、下田市、伊東市、賀茂郡、駿東郡が各1件ずつとなっている。
●中部地区(前月8件負債総額12億5,300万円)
中部地区は13件発生で前月比5件増(+ 62.5%)、負債総額は29億8,514万円で前月比17億3,214万円増(+ 138.2%)と件数・負債総額とも大幅に増加した。
市郡別では静岡市9件(清水区2件、駿河区6件、葵区1件)、島田市2件、焼津市、藤枝市が各1件ずつとなっている。
●西部地区(前月6件負債総額2億9,700万円)
西部地区は8件発生で前月比2件増(+ 33.3%)、負債総額は5億400万円で前月比2億700万円増(+ 69.7%) と件数・負債総額ともに増加した。
市郡別では浜松市5件(東区2件、西区、南区、中区が各1件ずつ)、磐田市、湖西市、菊川市が各1件ずつとなっている。
【総評】
県内12月倒産整理情報は件数では35件と今年1番の多さだった。負債総額も大幅に増加した。本年の特徴として、 ここ数年の傾向でも あるが、 倒産形態に従来の如く銀行取引停止(手形交換所)が少なく、 特に今月は1件だった。 変わって自己破産による行き詰まり(倒産)が主体となったことである。
12月は35件中、自己破産31件、銀行取引停止1件と目立つ。さらに、今年のパターンは業歴ある小規模経営の倒産が主体となった。県内の本年(平成28年 )は、総体的には大きな産など少なく、件数的には小康状態であったものの、ジリ貧(息切れ)となっている。